京都観光でも人気の「京都御所(きょうとごしょ)」と「京都御苑(ぎょえん)」。
でも、実際に訪れるとなると、
「どこが見学できるの?」
「京都御苑と御所って違うの?」
と、ちょっと混乱してしまう方も多いのではないでしょうか?
この記事では、京都御所で見学できる場所や拝観方法、所要時間の目安、周辺のおすすめカフェまでまとめてご紹介します。
「京都御所」と「京都御苑」との違い
まず知っておきたいのが、「京都御所」と「京都御苑」は別物ということ。
京都御所:かつての天皇のお住まい(紫宸殿や清涼殿など)
京都御苑:京都御所を取り囲む広大な公園エリア(市民の憩いの場)
いわゆる「御所」といえば、丸太町・寺町・今出川・烏丸に囲まれたエリアを言い、地元の人は「御所でお花見」とか、「御所でランニング」などのように、日常的に「御所」と言っていますが、正確には「京都御苑」となります。
「京都御所」は明治維新までの天皇のお住まいだった紫宸殿などがある中心部を指して言います。

見学できるスポット一覧
京都御苑で見学できる場所は、5つあります。
・京都御所
・仙洞御所
・京都迎賓館
・拾翠亭(九條家)
・閑院宮邸跡収納展示館
①京都御所:紫宸殿や清涼殿はここで!自由見学できるメイン施設

明治維新までの天皇のお住まいで、紫宸殿・清涼殿など、江戸〜明治期の天皇家の建築を外から自由に見学できます。
建物の中には入れませんが、敷地のスケールや調度品など「非日常」の空間が感じられます。
申し込み不要で、通年で公開されています。自由参観での見学となります。
1日に数回、日本語・英語・中国語での50分のツアーがあり、無料でガイドアプリの利用も可能です。
仙洞御所(大宮御所):事前予約で庭園散策ができる!藤の名所としても人気

仙洞御所とは、退位した天皇(上皇)のための御所で、後水尾上皇の御所として江戸時代初期に建てられました。大宮御所とは上皇の后の御所を指します。
1800年代の大火で仙洞御所の建物はなくなりましたが、大宮御所は再建されて現在も残っています。
ガイド制の見学となり、大宮御所を外から見学し、仙洞御所の庭園を周遊するコースになります。
藤の名所でもあり、5月上旬が見頃。石橋に架かる藤棚は見応え十分です。開花期間が短いので、ぜひタイミングをみて申し込んでください。

京都迎賓館:現代の職人技が光る国賓の迎賓施設(要予約)

2005年開館、海外の国賓を迎える迎賓施設。職人技が光る現代和風建築としても注目されています。
ガイドツアー形式での参観となります。当日枠があれば、9:30から先着で整理券の配布があります。
受付は「清和院休憩所」(迎賓館の南側)となり、迎賓館入口とは別ですので注意してください。
拾翠亭:九條家ゆかりの庭園(予約不要)

五摂家の一つ、九條家の庭園の遺構です。
拾翠亭は江戸時代後期に別邸として建てられた茶室で、貸出も行われています。九條池の厳島神社には、京都三珍鳥居「唐破風鳥居」がみられます。
閑院宮邸跡:京都御苑の歴史を学べる無料の展示館

京都御苑の成り立ちや御所に関する展示があります。空調完備で雨の日の休憩にも◎
季節の見どころ|花と自然、歴史を楽しむ京都御苑
桜、桃林、梅林…花がたくさん!

御所の西側(烏丸通側)には梅園があり、さまざまな種類の梅があります。種類が多いため、長い期間、花を楽しむことができます。
桜も園内あちこちで見られるのですが、なかでも人気なのが近衛邸跡の糸桜です。早咲きの桜ですので、3月下旬に見頃を迎えます。
場所は京都御苑の北西、地下鉄今出川が最寄りとなります。
森の文庫

迎賓館の北側にある森の図書館。ベンチと本棚が設置されています。
御所の東側は特に緑が深いので、静かで落ち着いたエリアです。地元の人はお弁当を持参してピクニックすることも多く、観光地というより暮らしの延長線上にある癒しの空間といえます。
近くではバードウォッチングのスポットにもなっています。
「猿ヶ辻」の伝説

「猿ヶ辻」の伝説の猿の彫刻が見られます。
御所再建の際、鬼門封じとして北東に日吉山王の神の使い・木彫りの猿を祀ったが、夜な夜な通行人に悪さをするため金網に閉じ込められることとなったーー
右向きの猿がわかりますか?
子どもと一緒なら、出水の小川や近衛邸公園へ

ここは親子連れで賑わうスポット。小川が流れており、夏には水遊びをする子どもの姿が見られます。
近衛邸近くにある公園も家族連れに人気です。
幕末「蛤御門の変」の舞台

幕末の明治維新、「蛤御門の変」の舞台となった場所です。長州軍がここに主力を集中して激戦となったので、その戦いを蛤御門の変とも称するようになりました。この門には現在でも戦の跡が残っています。
ちょっと一息|京都御所周辺おすすめカフェ
Coffee Base NASHINOKI(梨木神社内)

梨木神社境内にあるコーヒーショップ。
梨木神社にある京の3名水「染井の井戸」の水で淹れたコーヒーをいただけます。茶室や縁側でのんびりと時間を過ごせます。
笹屋伊織│SASAYAIORI+ 京都御苑

京都の老舗和菓子店、笹屋伊織によるカフェ。
笹屋伊織といえば「どら焼」。餡をパンに挟んだ通常のどら焼きとは異なり、ロールケーキのような形状で、もちもちとした食感が人気です。こちらのカフェでは、名物のどら焼の他にもスイーツがいただけます。
地下鉄「今出川」駅寄りの、糸桜のエリアにあります。御所見学や散策の休憩に。
京都御苑マップ

京都御苑は、キャッチボールなどで体を動かしたり、犬の散歩、ランニング、バードウォッチングをしたり、市民の憩いの場になっています。
思い思いの時間を過ごされてはいかがでしょうか。