祇園にある古刹、建仁寺。賑やかなエリアにありながら、一歩山内に入ると静かに伽藍が広がります。臨済宗建仁寺派の大本山です。
建仁寺の開山は、臨済宗の開祖、栄西禅師。お茶を日本に広め『喫茶養生記』を著しました。春には四頭茶会という独特な茶会が開催されます。
入口(庫裏)を入ると、栄西の著書『興禅護国論』の序文で迎えられます。
「大哉心乎」大いなるかな心や
俵屋宗達の「風神雷神図屏風」が有名な建仁寺ですが、見どころは他にも沢山ありますのでご紹介します。
■方丈
海北友松による襖絵「雲龍図」・「竹林七賢図」(複製展示)。本物は軸装になり、博物館に預けているそうです。
以前は、橋本関雪の襖絵が飾られていました。「生生流転」など、方丈はすべて関雪の作品でした。
橋本関雪は、大正から昭和のはじめに活躍した日本画家です。
白沙村荘という彼の邸宅は現在、美術館になって公開されています。銀閣寺の近くにあります。お庭もきれいですよ。
■枯山水〈大雄苑〉
方丈の前庭。広々としていて空と法堂が大きく感じられます。
初夏にはクチナシが咲き、あまい香りが漂います。
■法堂
小泉淳作さんの筆による「双龍図」。2002年の創建800年を記念して描かれたもの。鎌倉建長寺にも小泉淳作さんの龍がありますが、こちらの龍は円に入らず天井いっぱいをうねっています。
御朱印の「拈華堂」はこの法堂の別称のことで、「拈華微笑」という禅語に由来します。
■書院
書院の中庭〈潮音庭〉は夏がおすすめ。
深緑の生き生きした頃、緑が深くなる盛夏、本当に気持ちいい。
秋は秋で紅葉が美しいです。
また、小書院では染色作家の鳥羽美花さんによる襖絵〈凪〉・〈船出〉が見られます。
田村月樵 襖絵〈唐子遊戯図〉
かわいい。この朱印帳も作ってほしい。
茶室に向かう途中の庭には、月樵遺愛の大硯があります。
ほかにも「◯△□の庭」など見どころはたくさん。
ほかのお寺でもそうですが、額や掛け軸をみるのもおもしろいです。
下駄箱に「照顧脚下」の墨書きがあったり(そのまま!)
この額は「賓主無」(ひんしゅなし)と書かれています。客と主人の間に差はない、ということだそうです。
4月末には、法堂のまわりを牡丹が咲き誇ります。
アクセスの良いとこにありますので、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょう。
建仁寺の御朱印・御朱印帳↓
https://gorosuke-kyoto.com/kenninji/
建仁寺塔頭 両足院↓
https://gorosuke-kyoto.com/ryosokuin/